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私たちWOOD HOUSE DESIGNは、
長野県上田市を中心に活動するちいさなデザイン集団です。
「人とモノ、人と人を繋げるデザインを」

イノシシを獲りに

「おい、56番、そこの稜線の下辺りにブタいるぞ! しばらく叫びながら進めー!」

「了解。(ここは果たしてどこだろう。とりあえず叫ぶしかないぞ。。。)」

 

こんにちは、56番こと川端です。

 

実は先日、師匠と一緒にイノシシの巻き狩り(追い立て猟)に行ってまいりました。

 

場所は上田市のお隣、千曲市のある里山。

地区の猟友会のテリトリーだそうな。

 

早朝に山のふもとへ集合して、皆さんにご挨拶する川端、

巻き狩りはチーム戦、皆さんに受け入れてもらわないと

獲れるものもとれません。

 

「お前、何番にする?」

実は、ここのチームは無線でお互いを呼び合う際に

時間短縮のため、お互いを番号で呼び合うそうで、

川端は56番をもらいました。

以下56番=川端です。

 

その後、獲物を追い立てる役、「勢子」と

獲物を迎え撃つ役、「立つ間」に分かれて

ブリーフィングです。

 

「あそこの二つ目の杉林と雑木林の境目あたりに

いるはずなんだ、山の裏側から攻めて、等高線沿いに

歩いてくれ。」

という様な事を、伝えられました。多分(笑)。

 

皆さん意思疎通が出来すぎていて、

言っている事が正直ちんぷんかんぷんです。

 

そもそも二つ目の杉林ってどこだ?

 

てな感じで、全くわかっていないまま

56番の勢子開始。

 

最初こそ師匠と歩いておりましたが、

すぐに単独行動へ。

 

 

めっっっちゃ怖い!!!

 

 

知らない山の中で一人、無線で飛び交う言葉の

意味も分からず、皆の追い立ての声もだんだん聞こえなくなる。

 

半泣きの56番です。

 

だがしかし、これぞ僕の求めていたもの。

このヒリヒリする感じ。

自分以外に頼るものの無い感じ。

 

そして、多分本気で泣き叫べば

皆助けてくれるという、ギリギリでの安心感。

 

神経が研ぎすまされます。

 

道なき道を、こけつまろびつ、進みます。

足元はほとんどまっすぐな道はなく、

時には崖の様な場所も腰が抜けそうになりながらも進みます。

 

そんな中でも、若めの先輩がだんだんと56番の

世話を焼いてくれるように。

一生懸命声を振り絞る56番はだんだんと猟師たちに

受け入れられたのです。

 

「ザザ! いたぞ、尻が白いな。でかいな!」

 

無線から聞こえてきた、師匠の声の後、

大きな銃声が二発。。。

 

しばらく静寂が山を包みます。

 

さっきまで汗だくだった体から

体温がどんどん奪われていきます。

 

「マル!」

「マルふたつ!」

 

師匠が無線で皆に伝えます。

 

「良し、血ぃだけ抜いとけ!」

 

別の声で聞こえてきます。

 

どうやら、マル=獲れた という意味らしい。

 

 

その後、下山して、皆で獲物を山から降ろします。

猟師は山のどこで獲れたかも把握していないと

撃ったはいいけど、後から回収できないという事もあるそうな。

 

 

。。。おい、これ、獅子神さまじゃないよね。。。

 

100キロはあろうかという大きなオスシカが

横たわっています。

そして、その近くにもほぼ同じ大きさのオスが。

 

 

 

56番、思った程なにも感じませんでした。

猟師を志した当初は、いざ大動物の死体を

見たとき、内蔵をとるとき、可哀想だったり

怖かったり、気持ち悪かったりするかと思ってました。

 

しかし、山に来て初めて気付いたことは、

山では自然に命は生まれて、尽きていくものなのだな、

という事。

 

56番は、はしゃぎも、嬉しくも、怖くもありませんでした。

慣れない山歩きに、疲れていただけかもしれません。

 

ただ、横たわっているシカは、自然に山で横たわっていました。

 

 

 

その後、皆で下山。

一人で降ろしたら、一頭まるっと頂けるとの事だったので

大張り切りの56番。

 

当然一人では無理でしたが、皆さん優しい、

解体したシカ、一頭まるっと頂きました(笑)。

 

 

イノシシを獲りがシカにはなってしまったけど

山に入るという行為は、僕に色々な情報をくれました。

 

長くなってしまったので、

シカの一頭まるっと料理編はまた今度!

 

56番かわばた

 

 

 

 

 

 

 

 

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