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私たちWOOD HOUSE DESIGNは、
長野県上田市を中心に活動するちいさなデザイン集団です。
「人とモノ、人と人を繋げるデザインを」

第16回 私は何を始めたいのだろうか

そういうわけで私は忙しさから解放された。肌寒さもこのところずいぶんと和らぎ、日が落ちるのもずいぶんと遅くなった。

 

本格的な春はすぐそこまでやってきている。

 

トンネルを抜けた先に大海原が広がっているような、とても晴れやかで前向きな気持ちになっている今日この頃だ。こんなとき、人は何か新しいことを始めたくなってしまうものだ。

 

多分に漏れず私もそんな人々のうちの一人であった。何か新しいことを始めたい。

 

何かだ。しかし問題は、その何かが見えてこないのだ。何かを始めたい気になっているものの、体が動かない。

 

もしかしてこれが老化というやつなのかもしれない。

 

私は焦った。春はあっという間に通り過ぎてしまうのだ。早く何かを始めなければ春に乗り遅れるような気がする。

 

あるいは何かを始めなければ春が来ない気さえする。

 

たしかに始めたいことはある。たとえば、ジムに通って体を鍛えたい。泳げるようになりたい。ボルダリングを始めてみたい。

 

だけど、英語が喋れるようにもなりたい。日本史と世界史をちゃんと学び直したい。建築も勉強したい。DIYで本棚を作りたい。

 

あるいは、将棋センターに通って本格的に将棋を指したい。囲碁も打てるようになりたい。チェスはどうでもいい。オセロもいいや。

 

それより絵がうまくなりたい。料理じょうずにもなりたい。特に魚をじょうずにさばけるようになりたい。

 

ついでに小鳥を飼ってみたい。トカゲもいい。だけど結局のところ、沖縄に住みたい。
いったい私は何を始めたいのだろうか。

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